ガマガエル 国内初の飼育下繁殖に成功 井の頭自然文化園(毎日新聞)

 井の頭自然文化園(東京都武蔵野市、成島悦雄園長)は、国内の動物園・水族館で初めてアズマヒキガエルの飼育下繁殖に成功した。いわゆるガマガエル。かつては身近でも多く見られたが、最近は環境の悪化で個体数が減少しているという。感染力が強い外来のカエルツボカビの感染例が発覚したため、同園は07年から東京に生息する両生類の保護増殖に着手してきた。春を迎え、数百匹のオタマジャクシが次々カエルになり、順調に育っている。【斉藤三奈子】

 アズマヒキガエルはヒキガエル科で主に東日本に生息する。西日本のニホンヒキガエルの亜種だ。褐色で体中にいぼがあり、大きなものは約15センチに育つ。繁殖期以外は水に入る必要がほとんどないことから、以前は都会の人家周辺や山地などにも多く生息していた。

 ところが最近、環境悪化で個体数が減少。カエルツボカビの影響を受けやすいため、同園は保護増殖に乗り出した。

 カエルツボカビは両生類のみに感染するカビの一種。中南米や豪州で両生類の急速な減少を引き起こし、パナマでは06年、侵入後数カ月で数種類のカエルの6割以上が減少したとの事例もある。感染力が強く、発症すると皮膚呼吸ができなくなり衰弱死するなど死亡率が高い。宇根有美・麻布大准教授の調査では、国内では06年にペット用に輸入したカエルから発見されている。

 同園では絶滅が危惧(きぐ)されているトウキョウサンショウウオなどの保護増殖にも成功している。日本初のアズマヒキガエルの飼育下繁殖のため、オタマジャクシ40匹の飼育から始めた。野外で成体を採集すると雌雄のバランスが悪くなるためだ。

 オタマジャクシから成長した26匹から5組のペアリングに成功。餌のコオロギにビタミンを補強したり、水槽の温度を自然環境に近づけるなどの工夫を施し、1月には産卵、ふ化が始まった。

 飼育担当だった荒井寛さん(47)=現・葛西臨海水族園職員=は「感染症に備えた態勢を整えなければならない」と話している。

 国立環境研究所の五筒公一主席研究員は「人の経済活動が感染症の侵入を招いた。両生類の減少は生態系にも影響を与え、やがて人の安全な生活を脅かす恐れがある。人為移送を防ぐため法的規制が必要だ」と警告する。

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